執筆: Rei Matsuda
編集・加筆: Rose Tan
調査:Jocelyn Lim
シンガポールで暮らす日本人は約3万3,000人規模にのぼり、世界でも有数のコミュニティを形成しています。駐在や現地就職でご家族との移住を検討する際、多くの方が直面するのが「帯同ビザ」の複雑なルールです。当社(GJC)でも2006年の創業以来、数多くの候補者様や日系企業様からビザに関するご相談を受け、共に歩んでまいりました。
例えば最近では、「シンガポール赴任が決まったものの、配偶者は現地で働けるのか」「子どもの学校や家族帯同ビザはどのような流れで手続きすればよいのか」といったご相談が増えております。ご本人だけでなく、ご家族全体の生活設計まで見据えて情報収集をされる方が多く、ビザ制度や就労可否に関する正確な情報へのニーズが高まっていることを実感しています。
本記事では、2026年7月時点の帯同ビザ(配偶者ビザ)要件と、見落としがちな実務上の注意点をご紹介します。
ディペンダント・パス(DP)とロング・ターム・ビジット・パス(LTVP)の違い
ここで重要になるのが、スポンサーとなるEmployment Pass(EP)やSパスの保持者の基本給(固定月収)要件です。世帯合算ではなく、手当やボーナスを含まない本人単独の基本給が基準となります。
- DP申請の場合:スポンサーの固定月収 6,000 SGD 以上
- LTVP申請の場合:スポンサーの固定月収 6,000 SGD 以上(ご両親を呼び寄せる場合は 12,000 SGD 以上)
費用と期間の目安も押さえておきましょう。DPは、申請時に1件あたり105 SGD、パス発行時に1件あたり225 SGD(複数回入国ビザが必要な場合は別途30 SGD)の手数料がかかります。審査期間は、EPまたはSパス保持者のご家族の場合で3週間以内、EP(スポンサーシップ)、PEP、EntrePass保持者のご家族の場合で6週間以内が目安です。
当社のリクルーターが日々の求人開拓を通じて実感しているところでは、基本給6,000 SGD以上の求人は、営業、経理・財務、サプライチェーン、IT、管理職・マネジメント層で見られる傾向があります。特に専門性やマネジメント経験をお持ちの方から、ご相談をいただく機会が多くなっています。
注意:DP保持者の就労制限について
「配偶者もシンガポールで働きたい」とお考えの場合、2021年5月の制度変更に注意が必要です。現在、DP保持者が就労するためには、原則として雇用主を通じて独立した就労パス(EP、Sパス、またはワークパーミット)を別途取得しなければなりません。例外としてLOC(就労同意書)による就労が認められるのは、ご自身でビジネスを立ち上げる起業の場合に限られます。また、MOM発行のLTVP保持者にも自動的な就労権はなく、同様に別途就労パスの取得が必要です。
実際に当社では、配偶者帯同(DP)でシンガポールに滞在していた方が、日系企業のアドミン・営業サポート職として採用され、ワークパーミットへ切り替えて就業を開始した事例があります。日本語・英語を活かした事務経験や柔軟な業務対応力に加え、長期的にシンガポールで働きたいという意欲が評価され、採用につながりました。
このようなDPからワークパーミットへ切り替えて就職された実績は本事例以外にも複数あり、それぞれのご経験や企業ニーズに合わせたサポートを行っています。
シンガポール市民・永住者のご家族の場合:ICA発行のLTVP・LTVP+とPLOC
スポンサーがシンガポール市民または永住権(PR)保持者である場合、ご家族はICAが発行するLTVP、またはLTVP+の対象となり、就労の条件が大きく異なります。
- LTVP+:シンガポール市民の外国人配偶者のみが申請可能です。有効期間は初回最大3年、更新時は最大5年で、一部のMediShield Life(医療保険)や社会保障スキームへのアクセス権に加え、永住権(PR)申請への道筋が提供されます。
- PLOC(事前承認就労許可):ICA発行のLTVPまたはLTVP+を保有する、シンガポール市民または永住権保持者の配偶者・21歳未満の未婚のお子様が申請可能です。ただし、自営業として従事することは認められません。
なお、PLOC保持者を採用する企業側にも義務があります。勤務が開始される前にMOMへ通知を行う必要があり、退職された場合は最終就労日から7日以内に通知しなければなりません。
また、申請時の実務的な壁として、日本語の戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など英語以外の言語で発行された書類は、そのまま提出することができません。原本と英語翻訳文を1つのファイルにまとめてアップロードする必要があります。翻訳は翻訳サービス提供者に依頼することもできます。手続きの煩雑さから、サポート体制の整った企業選びが非常に重要です。
家族帯同を支える求人探しはGJCへ
ビザの要件は複雑ですが、正しい情報と適切な求人選びがあれば、ご家族揃っての充実したシンガポール生活を実現できます。GJCでは、家族帯同ビザ(DP/LTVP)の取得サポート実績がある日系企業の求人を多数扱っております。ご家族のキャリアも含めたシンガポールでの就業について、まずは当社にご相談ください。候補者様のご状況に合わせた最適な求人提案からビザ・就労条件の調整まで一貫してサポートしています。
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※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。ビザ要件は変更される場合がありますので、申請前に必ずMOMの公式サイトで最新情報をご確認ください。
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