シンガポールに転職した日本人営業マンが語る広告代理店の仕事と実情
今回は、日系の総合広告代理店に6年勤めているIさんの経験談を交えながら、シンガポールの広告代理店事情をご紹介します!自らのアイデアが形になる喜びは、広告代理店の仕事の醍醐味ですよね。
広告業界の魅力といえば、自分が関わった広告が多くの人の目に触れて影響を与えられることや、クライアントの要望を形にできること。広告を通じてさまざまな業界の人と知り合えることなどが挙げられます。
そんな広告代理店の仕事は、海外でも挑戦することができます!現在日本の広告代理店で働いており、海外へ転職してみたいと考えている方は必読です。
また広告代理店以外にもシンガポールでの就職・転職・移住に興味のある方は、求人紹介や無料相談も行っているGood Job Creationsのトップページをご覧ください!
シンガポールでの広告代理店事情
シンガポールにも電通や博報堂、ADKをはじめ、多くの日系広告代理店が進出しています。海外でも広告代理店の主なクライアントは、日系企業を中心とした大手メーカーや金融関連企業、航空会社、官公庁など、日本と変わらずさまざまな業界と関わることができます。
日本とシンガポールの大きな違いは、マスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の位置づけです。日本ではテレビ広告がもっとも重要な要素ですが、シンガポールではテレビ広告の位置づけが新聞・雑誌広告よりも低いです。また、マスコミ四媒体は基本的に国営と民間1社しかありません。
シンガポールの広告代理店で求められる職種
日本と変わらず営業部門・マーケット部門・クリエイティブ部門などが主です。営業職だけでなくアナリストやリサーチャー、特定のエリアに特化したコンサルタントなど、マーケット分析に近い職種の求人もあります。
アジアを股にかけて仕事ができる
シンガポールには、大企業のリージョナルヘッドクォーター(RHQ:地域統括会社)が多くあります。シンガポール国内だけで完結する仕事はもちろんありますが、企画によってはアジア全域でのプロモーションを行うことも。国や人種を越えた仕事を経験できるチャンスが存分にあります。
シンガポールの広告代理店に転職したIさんにインタビュー
シンガポールで実際に働くとなると、どのような生活が待っているのでしょうか。シンガポールに法人を構える、ある日系総合広告代理店で働くIさん(30代・男性)にお話を伺いました。
(古林)まずはIさんのプロフィールを教えてください。
(Iさん)もともとは雑誌の広告営業やイベント運営・管理・スポンサー営業などを日本とアメリカで経験しました。その後シンガポールで日系総合広告代理店へ転職し、現在営業職として6年半勤務しています。
(古林)仕事内容を教えていただけますか?
(Iさん)クライアントへの販促提案がメインです。
マーケティングプランの構築と、それにともなうクリエイティブ、メディアプランニングを、マスコミ四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)、OOH(交通広告や屋外広告、チラシなど)、オンライン・ソーシャルメディア含め総合的に提案しています。
広告・パンフレット・チラシ・ポスター・ウェブサイト・POPなど、各種制作物のデザインおよび制作のディレクション、イベント運用まで、業務は多岐に渡ります。(古林)英語はどのくらい使用しますか?
(Iさん)クライアントは日系企業のほうが多いですが、担当者が日本人以外の場合もあります。なので、コミュニケーションの半分程度は英語を使用します。
(古林)Iさんの1日を教えていただけますか?
(Iさん)ある1日を例に挙げるとこんな感じです。
- 9時出社:1日のタスクとメールの確認・返信
- 10時:制作チームと制作物の進捗の確認
- 10時半:不足している素材などをクライアントに確認、リマインドの連絡など
- 12時:ランチ・オフィスで弁当
- 14時:クライアントの新聞社へ訪問
キャンペーンの新規デザインとメディアプランの打ち合わせ。 - 16時:クライアントとカフェで打ち合わせ年末年始キャンペーンの内容やクリエイティブを、広告出稿中のメディアの担当者、オンラインマーケティングのエージェントの担当者と3社で話し合う
- 18時:オフィスに戻って内容を整理。制作チームに報告・説明
- 19時:見積書の制作やその他経理処理、制作物の発注業務などの対応サプライヤーへ見積もりを取る、新規営業のためのリサーチなど
- 20時:帰宅
広告代理店での営業は、毎日同じ仕事をすることはありません。ルーティンワークが少ないため毎日新鮮な気持ちで仕事ができる反面、幅広い知識が求められます。
(古林)日本とシンガポールの違いについて教えてください。
(Iさん)さまざまなバックグラウンドをもつ方と関わる機会が非常に多いです。
シンガポール国内だけで完結する仕事ばかりではないので、国をまたいだ大規模な提案となることが多々あります。そのため海外出張が月に1度ほどあり、言葉も文化も異なる地での対応は避けられません。
シンガポール国内においても他民族国家であるため、日本人・中華系・マレー系・インド系と、異なる人種と関わる機会は日常茶飯事です。
また、シンガポールでは残業という概念がほぼないため、ローカル社員は定時で帰ることがほとんどです。クライアントもサプライヤーも、納期については寛大な企業が多いような印象を受けます(もちろんすべての企業というわけではありません)。
(古林)今までで印象に残っているプロジェクトはありますか?
(Iさん)カフェのオープニングからマーケティングとクリエイティブを一任されたプロジェクトですね。
店内のメニューやポスター、POPと、広告や販促物すべてが自分の提案で囲まれていることに、これまでの苦労も吹き飛びました。
あとは、食品メーカーの商品ラベルのプロジェクトです。ASEAN全域に自分が携わったラベルが流通しています。シンガポール島内のスーパーにおいても、陳列棚に所狭しと並んだ自社制作のラベルを見たときは、思わず頬が緩みます。
(古林)広告代理店で働く魅力を教えてください。
(Iさん)私たちの仕事であり最大の役目は、クライアントやその先の顧客の「喜び・付加価値を引き出すこと」です。そこにやりがいと使命感を感じますね。
広告代理店の営業職はマーケティングをはじめマルチなタスクを求められるため、ビジネスパーソンとして自分を磨き、高められます。商社とならび「なんでもあり」の個人の能力、馬力が問われる貴重な業種だと思っています。
(古林)シンガポールで働くからこそ得た経験はありますか?
(Iさん)まず多様な方々と関わることで、さまざまな人に対する対応能力、柔軟性が身につきます。
画一的な日本の風習・習慣と異なり、国民の人種や言語も異なるシンガポールでは、主張をしなければ飲み込まれます。戦う(議論する)ことでお互いを認めあい、タフになれる環境です。
また、誤解を恐れずにいうと、シンガポールはいわばビジネスにおける選抜選手の集まりのような場所だと感じています。各業界・各社、非常に有能な人材が集約しており、日本では到底出会えないような業界の大物にふと出会えたりすることもしばしばありますね。
貴重な20代~30代をこのような環境で過ごせることに感謝しています。
(古林)Iさん、ありがとうございました。
シンガポールへの転職に興味があるなら
今回インタビューをしたIさんは、人材紹介会社をつかってシンガポールの求人情報を見つけたそうです。
シンガポールへの転職に興味がある方は、Good Job Creationsをご利用ください!Good Job Creationsでは、シンガポールへの就職・転職に興味がある方に向けて、無料相談を行っています。
転職が初めての方、シンガポールを訪れたことがない方でも安心できるよう、経験豊富なコンサルタントが徹底的にサポートします。正社員だけでなく、時短やパートタイムの求人も紹介できるので、まずはお気軽にご相談ください!
シンガポールの求人・転職・仕事探し【Good Job Creations】のトップページはこちら
シンガポールでの就職・転職に興味がある方には。こちらの記事もおすすめです!
>>「シンガポールで働く大手企業出身者が語る!日本とのギャップや内情」
ライター紹介
Yuka Kobayashi / Good Job Creations
東京の大学に進学後、約3年半日系IT企業でのコンサルティング営業を経験。学生時代の留学経験をきっかけに海外転職の道に。2015年冬に来星し、現在は人材紹介会社にて求職者向けの転職支援をしています♪常にポジティブマインド!皆さんのキャリアの後押しができるよう日々奮闘中です!