シンガポールIT業界の求人情報と現地で働く日本人にインタビュー
シンガポールではIT人材の需要がかなり高まっており、海外からの転職者が増えています。日本からの転職・移住者も多く、同じ職種でも年収が2倍ほどになるケースも見られます。
今回はシンガポールでWebディレクターとして働く日本人のお2人に、シンガポールでの仕事内容や、日本とシンガポールでの働き方の違いなどをインタビューしました。
日本でIT関連の仕事をしており海外転職を検討している方や「WEB×英語」を軸としたキャリアを考えている方は必見です。また、記事の終盤ではシンガポールで最新のIT人材の求人情報も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
シンガポールで働く日本人Webディレクターにインタビュー
100人以上のスタッフを抱えるWeb制作会社、株式会社TAMのシンガポール法人TAMSANでWebディレクターとして働く藤原さんと嘉和知さんにインタビューさせていただきました。
仕事内容と経歴
(インタビュアー)シンガポールでの仕事内容を教えてください
藤原:TAMSANは、TAMという日本のWeb制作会社のシンガポール法人で、Webディレクターのみが勤務しています。
日本法人のTAMにはデザイナーやエンジニアなどの制作スタッフがおり、シンガポールでプランニング、プロジェクトマネージメントを行なって、日本の制作チームと一緒にプロジェクトを進めるのが基本です。
プロジェクトの内容によっては、シンガポールや日本のパートナー企業を含めて、プロジェクトチームを作ることもあります。
例えばシンガポールマーケット向けのマーケティングとなると、僕たち日本人では把握しきれない部分がどうしても残ります。そういった場合に、シンガポールの制作会社にコンサルティングに入ってもらうことがありますね。
(インタビュアー)どのようなプロジェクトに携わっていますか?
藤原:クライアントは8割くらいが在シンガポールの日系企業で、残りの2割がシンガポール企業や非日系の外資系の企業です。
プロジェクトの内容は多岐に渡り、例えばアジア10か国を対象にしたキャンペーンサイトの作成、インターナショナルスクール向けのラーニングマネージメントシステムの構築、病院の先生と一緒に問診アプリを作ったり、Facebookページの立ち上げ・運用をコンサルティングしたり、広告運用を代行したり。
企業の抱えるビジネス課題に対して、僕たちがもっているデジタルなテクノロジーでソリューションをプランニングします。その内容に基づき構築・開発、運用を行なうのが、僕たちのソリューションだと思っています。
(インタビュアー)次にお2人の簡単な経歴と、シンガポールに来たきっかけを教えてください。
藤原:僕は大学卒業後、専門商社での海外勤務などを経て日本のTAMに入社し、シンガポール法人の立ち上げでこちらに来たという流れです。
嘉和知 :私は大学を卒業してから日本で広告営業やグラフィックデザイナーとして働いた後、アメリカでIT関連の仕事に就きました。
ビザの関係で帰国することになったものの、せっかくの海外経験を活かして引き続きインターナショナルで英語を使える環境で働きたいと思い、シンガポールを転職先に選びました。
(インタビュアー)シンガポールで働くのはどうですか?刺激的ですか?
嘉和知 :刺激的という言い方が正しいかはわかりませんが、シンガポールは物理的に狭いためか、さまざまな人と出会えます。
いろいろなお客さんと関わるのは業務上当然ですが、例えばAWS(Amazon Web Service)のマネージャーとシンガポールで知り合いまして。セミナーで自分が話す際に、前日にこっそり英語のトレーニングをしてもらうというような、こういうことはシンガポールだからこそかなと思います。
日本とシンガポールの違い
(インタビュアー)ではそのあたりをもっと詳しくお聞きしたいのですが、Webディレクターとして働くにあたってシンガポールと日本との違いは何ですか?
嘉和知 :やはり言語が違うことですね。あとはマーケットやサービスの流行も日本と異なるので、その部分では苦労することもあります。
一方で日本で制作するサイトとは異なり、英語でサイトやアプリを作ることが基本なので「対象が世界!」 というところは面白さというか充実感があります。
例えば制作するWebサイトのターゲット国が10か国や20か国だったり、タイ語やインドネシア語でWebサイトを制作するようなプロジェクトがあったりするのは、シンガポールならではですね。
(インタビュアー)なるほど!藤原さんは日本とシンガポールの違いについて、どのように思われますか?
藤原:これは嘉和知さんの内容と重複しますが、対象のマーケットが異なるので、アウトプットするものは当然日本と異なります。多言語だったり、クリエイティブのトーンが日本とは違ったり、ということがあります。
利用するツールやASPなどについても、日本独自のものを使う機会はほとんどありません。また制作の流れについても、担当の方が日本人でなければ英語でプロジェクトを進めるので、打ち合わせやドキュメントは英語になります。
こうした違いはあるものの、僕たちが大切にしなければいけないことや、Webディレクターとしての価値を考えると、日本と大きな違いはないのではと感じます。
目まぐるしく変化するWeb業界で新しい技術や知識を取り入れながら、常にクライアントにとってベストなソリューションをプランニング、実施すること。これを適したツールや言語で行うときに違いがあるだけ、というのが僕の考えです。
シンガポールでの経験は活きるのか
(インタビュアー)日本からの転職を考えている人の多くが気になると思うのですが、シンガポールでの経験は日本に帰ってからも通用しますか?
嘉和知:藤原さんが言及したとおり、手段やアウトプットがシンガポールのマーケットや要件に最適化されるだけで、Webディレクターとしてのスキルは万国共通です。
ですので、シンガポールでいろいろな国の人たちと業務を通じてスキルアップを図った経験は付加価値であり不利に働くことはないでしょう。
藤原:さらにいえば、今注目を集めているシンガポールで働いたことや、アジアの各国向けのサイトやアプリを開発した経験は、経歴書に書けば映えるだろうと思います。大事なことではないですが。
個人的な実感としては、日本国外でもバリバリ働けた経験は個人の自信になるはずなので、そういうものが本当は一番大きなメリットなのではないでしょうか。
海外でIT人材を目指す方へのメッセージ
(インタビュアー)これからシンガポールのIT業界でチャレンジしたいと考えている方に一言いただけますか?
嘉和知:英語という言葉の壁がありますが、言語はただのツールでしかありません。ベースとなるIT業界の知識やスキルさえあれば、きっと解決できるでしょう。
また、シンガポールはいろいろな国の人が住んでいるので、自分の意志次第で語学力は伸ばせます。シンガポールに来たら絶対に良い経験ができるので、悩んでいるならぜひ来てほしいです!
(インタビュアー)なるほど、それは語学に自信がない人にとって心強い言葉ですね!
藤原さんはいかがですか?
藤原:IT業界はまだ比較的新しい職種がほとんどで若い人が多いと思いますが、大切なことは常に新しい挑戦や刺激を通じて成長し続けることです。
挑戦や刺激によって成長を求めるなら、シンガポールに来てIT業界で働くのは良い選択肢の1つだと思います。働きやすい国でもあるので、英語力なんて気にせずにぜひチャレンジしてほしいです。
(インタビュアー)今日は興味深いお話、ありがとうございました!
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ライター紹介
Satoshi Kitagawa / Good Job Creations
日本の上場企業での人事職を経て2011年に来星、現在はシンガポールの中堅人材紹介会社で代表を務める。キャリアプランニングのモットーとしては「とりあえず夢・目標を設定してみて、まずは一生懸命やってみる。違うと思ったら軌道修正。」